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よくある質問

不動産鑑定評価に関する「よくある質問」について、何点か選んでみましたので参考にして下さい。なお、不明な点があれば、「お問い合わせ」にて、ご連絡下さい。適宜、お返事致します。

Q1. 通常の鑑定評価と簡易鑑定評価の違いは?
Q2. 鑑定評価書はいつまで使えるのですか?
Q3. 鑑定評価にはいくらぐらいかかるのですか?
Q4. 不動産業者の方が教えてくれる価格と鑑定評価はどう違うのですか?
Q5. 税理士の方が教えてくれる価格と鑑定評価はどう違うのですか?
Q6. 相続税の路線価とは何ですか?
Q7. 相談だけでもよいでしょうか?
Q8. 他県の不動産なのですが?
Q9. 不動産コンサルティングの具体的内容は?
Q10. 土地の売却にあたって、事前に鑑定評価を依頼したいのですが、守秘義務は守ってくれますか?
Q11. 収益還元法が注目されていますが、どうしてなのでしょうか?
Q12. 不動産鑑定士が不動産価格を求める手法にはどのようなものがありますか?
Q13. デューディリジェンスという言葉を聞いたのですが、これは何のことですか.?
Q14. 一般の人が、公的資料等を利用して土地価格を調べる方法はありますか?



Q1.通常の鑑定評価と簡易鑑定評価の違いは?

不動産の鑑定評価に関する法律及び不動産鑑定評価基準その他不動産鑑定評価に係る規定等には「簡易鑑定評価」なる語彙は存在しません。
一方、実務においては、「簡易鑑定」という言葉が日常的に使用され、あたかも正式に認知された語彙でもあるかのようにして存在します。
つまり、不思議なことなのですが、「簡易鑑定評価」なる言葉は、正式に認知された鑑定評価上の語彙ではありません。

鑑定評価書の体裁を簡略化することにより、多少料金を割安にするということで、実務的には、継続的に相当多数の鑑定発注をする依頼者との間で簡略化した鑑定評価書の体裁と割安な料金を約定することによって誕生したものといえます。

従って、簡易については、個々の鑑定事務所によって簡略化の程度及び料金がそれぞれ異なっているといえます。
不動産鑑定士にとっては、簡易だから、あるいは、料金が安いから、責任も軽いというわけではありませんので、自ずから割引には限界があると私は考えています。

簡易であろうとなかろうと、我々不動産鑑定士は、不動産鑑定評価書を発行すれば、必要的記載事項を網羅する義務があると同時に、結果についても、全く同等の責任を有するということであります。

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Q2.鑑定評価書はいつまで使えるのですか?

鑑定評価書の必要的記載事項の一つに「価格時点」というものがあります。いつ時点の価格を求めたのかという、大変重要な項目です。不動産鑑定評価基準では、「対象不動産(所在)」「価格時点」「価格または賃料の種類」を対象不動産の確定する上での必須事項としています。ご承知のとおり、不動産の価格(賃料を含む)は常に動いています。経済情勢はもとより、社会情勢、そして、新たな不動産に関わる法律の立法や改正等も大きく影響します。

例えば、土地を売買するために鑑定評価をとったとします。鑑定評価書が発行されてすぐに売買契約を締結すれば問題はありませんが、いろいろな条件の調整で3ヶ月が経過してしまったとします。
厳密な意味では、3ヶ月経過すれば、適正価格も動いてしまっていると考えられますが、激しい地価上昇期や下落期でない限り、鑑定価格での売買は容認されます。

1年以上経過してしまった場合は、一般的には、再鑑定が必要となると考えます。

半年から1年未満であれば、場合によっては担当不動産鑑定士の意見書により、変動率を出してもらうことがベターと考えます。

結論として、よほどの地価激変期でない限り、3ヶ月程度は鑑定価格をそのまま採用して問題ないといえます。それ以上となった場合、当事者のどちらかに異論がある場合等は担当鑑定士の意見を求めることが良いと思います。1年以内であれば意見書、これを過ぎた場合は、再鑑定を視野に入れる必要があります。

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Q3.鑑定評価にはいくらぐらいかかるのですか?

まず、鑑定評価は、依頼を受けてから現地調査、法的調査、市場調査等の事務所外の作業の後、事務所内作業として、各種統計データ等の入手、分析を踏まえ、原則三方式*による試算を行い、10ページから数十ページに及ぶ鑑定評価書を作成、製本して依頼者に納品するという結構ボリュームのある様々な作業からなっています。

物を机の上で見て数分後にハイいくらというような「何とか鑑定」とはまったく別のものですので、報酬(料金)も全く別次元のものと考えてください。

相当難易度の高い国家資格者が、事務所を構え、1週間以上の時間を注ぎ、形になった鑑定評価書ですので、数十万円という料金が普通なのはお分かりいただけると思います。

但し、案件は様々ですので、1週間以内でできるものもあれば中には1ヶ月以上かかるものまであります。自ずから料金も10万円から500万円以上に及ぶものまであります。弊社では、1件あたりの評価報酬額が20万円から50万円程度の評価が中心となります。

鑑定評価が必要な方は、メールでも電話でも是非ご一報ください。概要をお聞きすれば、すぐに料金の見積もりが可能です。

* 「三方式」についてはQ12の回答をご参照ください

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Q4.不動産業者の方が教えてくれる価格と鑑定評価はどう違うのですか?

不動産業者の方々は、通常その地域の不動産の売買に精通しており、売れる価格、買える価格についてしっかりとした意見を持っておられます。弊社では、鑑定評価のご依頼を受けると、現地調査の段階で、地元の不動産業者の方の意見も必ず聞くようにしております。

不動産鑑定士の鑑定評価額は、こうした不動産業者の方の貴重なご意見をも十分に参考としながら、鑑定評価の三方式*1を適用し、理論的に求められた価格的結論です。

同時に、不動産鑑定士は、適正価格の提供を業とすることを国家が資格付与した唯一の専門職業家であり、各種行政機関に対する価格的立証書類を作成する権利を有しています。種々の法律等で、価格的立証書類として「鑑定評価書」が最高ランクに位置づけられています。

バブル崩壊後における不動産市場は、収益価格、特にDCF法*2が注目を集めています。今や不動産の価格は、収益性によって決定される時代に入っています。その意味で、不動産鑑定士による鑑定評価額は、説得力を大きく増進させたといえるでしょう。

*1 「三方式」についてはQ12の回答をご参照ください
*2「DCF法」についてはQ11の回答をご参照ください

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Q5.税理士の方が教えてくれる価格と鑑定評価はどう違うのですか?

税理士の先生方は、通常、国税庁の路線価図をベースに0.8で割り込むことによって時価水準を把握し、一律的な基準である画地調整率を乗ずることによって価格を算定しているものと考えられます。

現実的には、当たらずといえども遠からず的な価格が得られるケースが多いとも云えますが、かなり危険な場合もあります。不動産鑑定士の鑑定評価額は、社会的・経済的・行政的諸要因を分析し、さらに、有効需要や相対的希少性についても検討しつつ、鑑定評価の三方式*を適用し、理詰めによって得られた価格的結論です。

同時に、不動産鑑定士は、適正価格の提供を業とすることを国家が資格付与した唯一の専門職業家であり、各種行政機関に対する価格的立証書類を作成する権利を有しています。

従って、不動産の専門家である不動産鑑定士が求める価格と税理士が求める価格では理論的な側面、実証的な側面が異なり、不動産価値を表す価格が示す信頼性も必然的に異なってきます。

* 「三方式」についてはQ12の回答をご参照ください

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Q6.相続税の路線価とは何ですか?

相続税路線価とは、毎年夏頃に各国税局が発表するその年に不動産の相続や贈与を受けた人がその課税の基礎となる財産価値を決めるための基準となる価格のことです。

一般に、市街化区域の場合、地図上の道路(路線)に土地の価格が記された図面が路線価図というわけです。近年では、インターネットでも簡単に無料で閲覧ができます(リンク集参照)。

路線価は地価公示価格の80%水準に設定されており、いわゆる実際の市場価格よりは安めに設定されております。固定資産税にも路線価図はあり、こちらは地価公示価格の70%に設定されています(こちらは、市区町村の固定資産税所管課で閲覧が可能です)。

相続税路線価の価格時点は、毎年1月1日です。つまり、毎年1月1日時点の価格をつけておりますので、地価変動が大きな時期には、年初と年末では相当の価格差が現実にはあります。この場合、不動産鑑定評価が時価の立証という観点から有効となることがあります。

路線価を設定する際の標準的な画地は、住宅街では、一般に、150〜200u程度を想定しています。

具体的な財産価値の評定に当たっては、路線価に画地調整率を乗ずることによって単価を求めますが、著しく広大な土地等においては、画地調整率では相当な価格が算出されないケースもあります。なお、画地調整率とは、角地や形状、奥行価格補正等の画地の個別的要因に基づく格差率のことです。

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Q7.相談だけでもよいでしょうか?

もちろん、相談だけでも全く問題ありません。原則として相談は無料で受け付けております。不動産鑑定士は、不動産に関する有資格者で、様々な不動産にまつわる事柄について幅広い知識によりサポート致します。

また、不動産に関しても、様々な国家資格があります。ご相談いただいた方のお悩みの本質とその解決方法について整理し、必要に応じ、不動産以外においても専門家のご紹介を致します。
不動産については、皆さんがそれなりに知識を持っておいでですが、本当に深く広い知識を持っている人は数少ないのです。是非弊社にお気軽にご相談ください。目から鱗の様なことが必ず起こると信じて、一念発起、ご連絡ください。

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Q8.他県の不動産なのですが?

弊社の創業期10年程度は殆ど全国の鑑定の仕事をしておりました。鑑定でお邪魔していないのは、高知県と滋賀県のみです。

最近の状況としては、埼玉県が中心ではありますが、隣接都県はもとより東北、中部、近畿、そして九州と時々遠隔地の鑑定評価もございます。どうか遠慮なさらずにご相談を賜りたくお願いいたします。

また、弊社では、全国に提携している不動産鑑定士が多くおりますので、ご紹介も可能です。

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Q9.不動産コンサルティングの具体的内容は?

不動産コンサルティングとは、相談者(クライアント)が最小限のリスクで最大満足を享受し得る不動産に関する方策を提案し、明快且つ説得力のある説明をもって納得を戴く業務です。

不動産コンサルティングを行う者は、不動産に関するあらゆる事象に精通していなければなりません。また、税務や法律、建築など特定の専門職業家の意見が必要な場合、即座に入手できる環境がなければなりません。場合によっては、複数の専門職業家を束ねてプロジェクトチームを組成することもあります。

私は、不動産コンサルティング(特に、複数の専門家によるプロジェクトチームのコーディネーター)の最も適役は不動産鑑定士だと確信しております。なぜならば、不動産鑑定士は、資格試験の科目でもわかるとおり、民法、経済学、会計学、不動産に関する行政法規(不動産、建築、区画整理、再開発、税法など)さらに不動産鑑定理論と、殆ど不動産に関わる全ての事象に通暁しているからです。もちろん、日常的にも、様々な不動産をあらゆる角度から分析、検討しておりますので、常に最新の情報に触れていることも大きな要素となります。

ここで、その具体的内容を例示してみましょう。
(1) 現在駐車場にしてある駅前の土地の有効活用を提案してほしい。
提案:ビジネスホテル(市場調査・収支計算等)
(2) 複数の借地人が先代からおり、関係は最悪の状態にある。この関係を解消するにはどうしたら良いか。
提案:借地人に底地を売却、交換、場合により借地権の購入
(3) 不動産は元農家なので相応にあるが、父が高齢のため相続税が心配である。うまい手があるか。
提案:現状の相続税の概算額の提示、納税財産の特定、有効活用地の特定、遺産分割案等

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Q10.土地の売却にあたって、事前に鑑定評価を依頼したいのですが、守秘義務は守ってくれますか?

ご安心ください。弊社では、鑑定士はもとより弊社が高度な国家資格に基づく鑑定機関であり、資格制度として高度の守秘義務を課されており、さらには、個人情報保護法によっても同様に厳しく情報管理が行なわれ、業務を推進しております。

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Q11.収益還元法が注目されていますが、どうしてなのでしょうか?

私が、不動産鑑定士の業界に入った昭和40年代後半は、1億総不動産屋といわれた時代で、都心の商業地から北海道の原野に至るまで、日本中の土地が一斉に暴騰する狂乱地価といわれた時代でした。背景としては、田中角栄首相の提唱する日本列島改造論の実現のための公共事業の大量発注による金余り現象があったと思います。

当時、もちろん、不動産の鑑定評価において収益還元法は、商業地など収益物件の場合適用されておりました。しかし、比準価格(取引事例から推定した試算価格)に比較すると収益価格は、30〜40%程度のレベルしか出なかったように記憶しております。

土地の取引価格は、毎年毎年大きく値上がりし、土地さえ買っておけば将来安心、一財産作れるという時代(土地神話の時代)でしたから、地価は収益性ではなく、キャピタルゲイン(値上がり期待)で形成されていたわけです。もちろん、GDP(国内総生産)も右肩上がりで大きく伸張するわが国の経済環境がそれを支えていたということです。

こうした時代には、収益還元法は、全く機能しておりませんでした。

ところが、バブル経済の崩壊によって、全国の地価は下落し、都心を筆頭とする拠点都市などは半値はおろか場所によっては十分の一まで、地価は大きく下落しました。また、わが国GDPの推移はどうでしょうか。バブル経済の崩壊以降15年以上にわたって、名目ベースでは一進一退を続け、大きく伸張しておりません。公定歩合が、極めて低い水準に膠着しているのも当然です。

このような状況下において、不動産投資家は、シビアな収益性を重視した価格でしか買えないのが現実です。地価下落期には、国内には全く需要者がおりませんでした。最初に現れた需要者は、あのハゲタカファンドと呼ばれたアメリカを中心とする外国人機関投資家でした。

この時持ち込まれ、普及し、今やわが国の不動産鑑定評価基準に完全に取り込まれたのがDCF法(Discounted Cash Flow Method)です。収益還元法の一手法ですが、従来、わが国で一般的であった直接(永久)還元法に対し、一定期間保有する間の純収益の現在価値に一定期間経過後に市場で処分する際の元本価値の現在価値を合算することによって収益価格を求めるものです。いかにもアメリカ的投資スタンスを基礎とする手法といえます。

いずれにしても、わが国は既に成熟社会に到達し、過去のような高度経済成長は望むべくもない。高齢化社会が急速に進み、なおかつ、少子化に伴う人口減少期に入っている今、不動産(土地)は、必ず上がる資産ではなくなってしまっています。

正に、収益性そのものが不動産(土地)の価格を決定付ける根拠となっています。これが、今、収益価格が重視される所以です。

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Q12.不動産鑑定士が不動産価格を求める手法にはどのようなものがありますか?

不動産価格の鑑定評価は、原則として、三方式を併用して求めるとされています。
それは、「原価方式」「比較方式」「収益方式」の三方式です。
まず、一つめの原価方式ですが、費用に着目した方式であり、対象不動産を新たに調達する際の原価(再調達原価)を求め、この額から、所要の減価修正を行うことによって積算価格という試算価格を求める方式です。

次に、比較方式ですが、市場に着目した方式であり、対象不動産と類似の不動産が実際に売買された事例から、もし、対象不動産が取引されたならという想定で比較を行う。この比較を複数の事例から行い、最終的に比準価格という試算価格を求める方式です。

最後に、収益方式ですが、対象不動産が将来生み出すであろうと期待される純収益の現在価値の総和を求めることにより収益価格という試算価格を求める方式です。

鑑定評価額は、これら三方式より求められた試算価格群について、再吟味し、説得力や規範性の精査を行い、さらに、地価公示価格等との均衡について留意し、決定します。

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Q13.デューディリジェンスという言葉を聞いたのですが、これは何のことですか.?

不動産の購入や企業買収などの場合、買い手側が行う対象となる不動産や企業などの詳細かつ網羅的な調査のことを言います。英語では、Due diligence と書きます。
近年、我が業界においてもデューディリとかDDとかいう言い方で業務に取り込まれてきています。特に、不動産において、土地建物の状況を把握する不動産状況調査、権利関係を把握する法的調査に加えてマーケティングを把握する経済調査などをファンド系企業の求めに応じ受託する鑑定機関もあります。

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Q14.一般の人が、公的資料等を利用して土地価格を調べる方法はありますか?

公的資料等から特定の土地の価格を概算で把握する方法をご紹介します。
(1) 地価公示(地価調査)
・ 国土交通省・土地鑑定委員会から発表される地価公示(価格時点:毎年1月1日)
・ 都道府県知事から発表される地価調査(価格時点:毎年7月1日)

これらの詳細は各市町村でも簡単に教えてくれますし、「土地総合情報ライブラリー」(リンク集参照)でも閲覧可能です。
これらの価格は、本来、一般の方々の取引の指標となるべきものとして公表されておりますので、ご活用ください。いずれの指標も、不動産鑑定士が鑑定評価を行なった結果を基準としています。但し、需要の程度、地域の実情、時点、画地の規模等により市場価値と大きく乖離していることもありますので注意が必要です。
(2) 取引価格情報
国土交通省では、全国の不動産取引について不動産鑑定士と提携し、アンケート調査を行っており、回収された情報につき不動産鑑定士の調査を了したものを「土地総合情報ライブラリー」(リンク集参照)において公開しています。
売買実例の詳細は示されていませんが、おおよその相場が見つかるかもしれません。
(3) 相続税路線価
相続税の路線価は、各地の国税局で、毎年7月〜8月頃に公表されます。国税庁の「財産評価基準書」(リンク集参照)で、無料で閲覧ができます。
通常、市街化区域であれば、各路線(道路)毎に価格が付されています。この価格は、地価公示価格の80%を目途に付けられておりますので、時価を換算してみてください。ただし、画地の個別的要因は別途、考慮する必要があります。
(4) 固定資産税路線価
市町村の固定資産税担当部署に行くと簡単に固定資産税の路線価図を閲覧できます。「全国地価マップ」(リンク集参照)でも閲覧できます。
この図面も、各路線(道路)毎に価格が付されています。この価格は、地価公示価格等の70%を目途に付けられておりますので、時価を換算してみてください。ただし、相続税路線価と同様に、画地の個別的要因は別途、考慮する必要があります。

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